
これなんです。
Swissair、トルコ航空、ノースウエスト航空。
―わ!思っていたより、しっかりしたつくりのカトラリーだね。重さもあるし。
そうなんですよ。
これ、トルコ航空のはberndorf(オーストリアの会社)の刻印あるんですよ。
―ほう、ほんとだトルコ航空なのにね。
しかも、これ、新潟県燕市の金属食器メーカー製らしいですよ。
―えー、しかも日本!さすが、燕市。

―こつこつと善如寺さんが集めたの?
いえ、これ実は、物心ついたころから家にあったものなんですよ。
でも、父母は海外とか行きたがるタイプではないし…
そう思うと、なんでこれがうちにあるのか…
―あはは、不思議だね。
そうなの。
―どんな経緯で善如寺家にやってきたか、気になるね。
ですね(笑)
あ、でも、トルコ航空のはいただきものなんです。
D&DEPARTMENTでも取り扱っているので、デッドストックだけど、
入荷のタイミングが合えば、今でも手に入るみたいですよ。
航空会社も今、経営難でたいへんな時代だから、
少しでも、機体に乗せるものを軽量化して、燃油料を節約する傾向になってて。
カトラリーもプラスチックに移行してるみたいですね。
まあ、あとは武器になってしまう恐れもあったり、とか。
―ああ、言われてみるとそうだね。
なんかでも、プラスチックのカトラリーだと味気ないね。
ですね。
これなんて、重ねて収納するときのことを考えて、このカーブなんですよ。

―わー、なるほど!
その為のカーブなんだ!これならピッタリ重なるね!お見事。
そういう細部にまで気を使って、職人さんが丁寧に磨きあげていたカトラリーなんですよ。
そいうのなくなっちゃうのは残念ですね。
大きさと重さとね。

パスタを食べる時に使ったりします。
フォークにパスタを巻きつけて食べるのに、
大きさがちょうどいいんですよ。
Swissairのはスプーンはなくて、
フォークとナイフだけなんだけど、
これ、柄に厚みがあってね、
ほどよい重さがいいんだと思うんです。
―うんうん、この適度な重みいいよね。
マットな質感がお気に入りです
普段使ってるスプーンでも、鏡面仕上げのスプーンだと、曇りとか指紋とかが気になっちゃって。
なので、マットな質感のものが好きなんです。
最近だと、Francfrancのデザートスプーンがマットな質感でお気に入りです。
―わたしもよくFrancfrancのカトラリー買うんだけど、
同じデザインで質感違い、とか、素材違いのバリエーションがすばらいしいよね。
そうなんですよね!

お話:善如寺妙子さん(OL)
聞き手・文・写真:寺居和美