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制作の現場を訪ねて Vol.04
「自分で使う道具を自分で作るって最高の贅沢ですよ」
2012.4.20



制作の現場を訪ねて、最終回。

前回までのお話はこちらからどうぞ!
→Vol.01「制作の現場を訪ねて
→Vol.02「悪戦苦闘、シェービングホースと南京鉋
→Vol.03「こんなん出来あがりました


最終回は「自分で使う道具を自分で作るって最高の贅沢ですよ」というお話。

もうこれ、一回目で言っちゃってるんだけど(笑)


「自分で使う道具を自分で作るって最高の贅沢ですよ」
もう、この言葉に尽きるのですよ。

日も暮れかかり、やっとわたしたちのスプーンが仕上がって来た頃、大川さんからの種明かし。

「なんでいきなりスプーン作ってもらったかって言うとね、さあ、スプーンを作りましょうって言ったらみんながどんな反応するかなって思ってね」と。


大川さんは、学校で木工を教えたりする傍ら、イベントでワークショップなどの活動をしているそうなのですが、なかなかスプーン作りを気軽に楽しんでもらえないと感じているそうで。

いきなりスプーンを作るっていうのはハードルが高いのか、
試しにわたしたちに、「やってみよう」とおっしゃったそうです。


わたしたちは喜んで作らせていただきましたが、そもそも、Spoonshipのメンバーなので、
一般の方の反応とはやはりちょっと違うのでしょうか。


大川さんは、物づくりのための手道具も自分で作ります。
そして、おっしゃいます「自分で使う道具を自分で作るって最高の贅沢ですよ」


スプーンは、作っていくうちに自分で創意工夫した部分が食べたときによくわかるので、
物づくり初心者の方でも、作る喜びを実感しやすい道具のひとつだそうです。

わたしもぜひ、多くの方にこの作る喜び、贅沢な時間を味わってもらいたいな~と思います。


今回の訪問でみんなそれぞれいろいろ感じた部分があったと思います。

岡田さんの感想

インタビューさせていただくつもりでいたら、いきなりスプーン作りをさせてもらえるとは!
作業用の台「シェービングホース」の機能性とトボけた容姿のバランスは秀逸。

あと、全て自作という南京鉋。何気ないフォルムなんだけど、美しい道具だった。
自分が使うために試行錯誤しながら作られ、また使い込まれた道具が纏う
朴訥とした雰囲気は、気持ちをほっこりさせるもんだなあ。

それから、印象に残ったのは生き方が滲み出る大川さんの佇まい。
スプーン作りにまた訪れたいと思うんだけど、また大川さんと会いたいという気持ちも強いです。

「つくる」プロジェクトはどんどん継続していきたいですな。




アコさんの感想

シェービングホースのペダルを踏む加減が
強く踏むと材料が折れてしまいそうだし、弱いとしっかり固定できなくて難しかったです。

恐る恐る削り始め、慣れてくると楽しくて
もっと最初からゴリゴリいけばよかったと思いました。

仕上がりは、まあまあかな。
もう少し手で削った感があるほうがよかったのかも。

家に持ち帰って、口に入れてみるとかなりの厚さで食べにくそうだった。
ちょっと残念。
削る途中で、口に入れてみればよかったなと思う。

とても楽しかったので、また機会があればやってみたいです。




みちこちゃんの感想

工房の中はいろんな種類の木や道具が置いてあって、
時間があればひとつひとつ手に取って見てみたいようでした。
木の匂いがして、薪ストーブの上のやかんから蒸気が出てて、
光が射し込んでいて、ラブくんが寝そべっていて、素敵な空間でした。

お話を聞く気満々でメモの用意をしたら、突然、やってみましょう!って展開になり、
びっくりするやら嬉しいやらって感じでした。
そしてシェービングホース!あれ欲しい!(置く所がないけれど…)
両手が使えるので、初心者にはとてもありがたかったです。
でも、おさえる部分に力を入れすぎて、スプーンをパキッと折ってしまうんじゃないかと、
かなりおっかなびっくりでした。
南京鉋も便利だけれど、いっきに削れてしまうんじゃないかとビクビクして、
はじめはかなり、ちまちまとしか削れませんでした。
木目の方向もなかなかわからなくて、かなり悪戦苦闘しました。

どうやら私が使っていた鉋は細かい部分に適したものだったようで、
そういう道具の癖とかも、わかったうえで活かせたらよかったなぁと思いました。

突然実践させてもらえることになったので、どんな風に彫ろうかイメージがわかなくて、
先生のお手本を目指して掘りました。
先生のスプーンの特徴、背のカーブがシャープな所が気に入ったというのもありますが。
他のお二人に比べて、だいぶ彫りが足りないというか荒削りな仕上がりでしたけど、
やすりをかけてオイルを塗ったら、それらしく見えるようになったのでよかったです。
オイルを塗ったら木目がはっきりして、私のスプーンはおもしろい具合に木目が入っていたので、
いくらか見映えがするようになってよかったです。

もったいなくてなかなか使えなさそうだけど、木のスプーンは持った時の感触がいいから、
大事に、だけどガンガン使っていきたいです。
使ってみた感触で、改良型の第二弾に挑戦したいです。



さて、最後に今週末、群馬の森で開催されます「群馬の森 クラフトフェア」のご紹介。
大川さんも出展されます!


2012年4月
21日(土) 午前10:00~午後4:00
22日(日) 午前9:00~午後4:00
http://gcraft.jpbox.net/

大川さんは【木の工房 やまね】で出展です。
ぜひ、遊びに行って、木のぬくもりに触れてみてください!



→Vol.01「制作の現場を訪ねて
→Vol.02「悪戦苦闘、シェービングホースと南京鉋
→Vol.03「こんなん出来あがりました



大川真明さん
木の工房・やまね
連絡先 TEL・FAX 0274-52-5759


写真・文/寺居和美


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